教育について

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卒業

建築設計事務所の業務の傍ら、昨年度から専門学校と大学の2校で、週に一回ずつであるが非常勤講師として教鞭を取っている。当然ではあるが、学生時代の視点と教員の視点は全く違う、教員がどれだけの苦労やリスクを背負い教育に携わっているのかは、学生は理解していない。理解する必要はないのだが。

それに加えて、現在の教育機関は学びの質を高める為の力の入れようは、私の大学生の時と比べると、全く別物のように感じている。私の学生時代の教育というと、放任主義で学びというのは自らの力で、行動して自身が必要なモノを取りにいかなければならなかった。知の体力【永田和宏 著】の内容に同意する考えを私は持っている。

教員学生

しかし、現在の教育は少し目指す方向を変えつつあるように感じられる。ここでは昔は良かったなどの懐古主義的な内容は書かないものの、建築を学ぶ今の学生と過去の学生を比べる事をしていきたい。過去の学生を15年前(私の学生時代の時期)の学生として、学生を見る視点は違うが、得意不得意のスキルを比べる事については、学生や教員の視点でも変わらないと考えたので、述べる事にする。

子供教育

今の学生の立体感覚の無さ。大きなポイントとしてこの内容は著しく目立つ、子供の頃の遊びの内容の違いからなのか、今の学生は立体を理解する能力が低くなっているのではないだろうか、特に都心部から通う学生が多い。設計演習を行うにあたりこの内容が掴めていない学生が多く、初期の授業ではこのスキルを身に付けるトレーニングから始める事が多い。

今の学生の情報コーディネートの力。何かの企画提案を行う時に、ペーパーのみの課題であれば、ネットを駆使し情報を取捨選択し一枚の企画書を纏める能力とプレゼン能力は、目を見張るものがある。人前でのプレゼンの清々しさなどは、どこから来るものかはわからないが、過去の学生には稀なスキルなのだと思う。 このように、その時代による環境の違いで、幼少期からの育ちが形成するスキルを今後どのように引き上げ補うのかは、その都度思索する必要性を感じた。また学びを短時間で効率よく伸ばす事に注目が集まる中(賛否はあるが)、私自身が出来る教育とは何かを考える続ける必要性がある。

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