RC住宅 神戸

コメントする
Blog
RC造 神戸

 現在、神戸市の須磨区でRC住宅の設計依頼を受け、進行しているプロジェクトが着工を迎えた、かれこれ一年前の夏にクライアントと会い、ファーストプランの提案をしたところ、アイディアを気に入って頂き、そこからの流れで設計監理契約を結ぶ事となった。4台のインナーガレージと外部に2台の駐車場が要望としてあり、その内のインナーガレージの3台を横に並べる必要があった為に、無柱空間の大きなインナーガレージの設計が必要となっている。また出入口のガレージシャッターは、10m近い開口が必要となり、既製品での販売は日本でされていない為、特注で製作する事となる。この巨大なガレージシャッターは技術的には問題ないが、あまり需要がない為に既製品は無いとの事で、今回のプロジェクトの珍しさを認識させられる。

これだけ大きな大空間の上に、2階に住居スペースがある事と階高を抑える為に、一部の梁をSRC造とする構造計画となっている。計画の要望としてインナーガレージに、4台の駐車スペースが必要であった為、敷地に対する建蔽率が足りない計算となり、緩和措置を使用する事で建蔽率が60%のところ、準防火地域の地域にRC造(準防火建築物以上)で設計した事で、+10%アップの70%で設計する事が可能となった為、要望が何とかギリギリ納める事が出来たボリューム計画である。

RC造 京都の建築家

クライアントは弊社に依頼をする前は、色々な事務所へ建築相談に行っていたそうだが、この無柱空間と建蔽率ギリギリの設計を上手く纏める事が出来なかったので困っていたようで、このような提案を待っていたとの事で、大変喜んで頂けた事を覚えている。

建物の仕様としては、RC造に一部の梁をSRCとし、外壁はコンクリート打ち放しとなっており、打ち放しの1階部分はリブ型枠を利用したしあげに、2階は化粧型枠コンクリート打ち放し仕上げとなっている。打ち継ぎ目地を目立たなくする為に、パネル割の計画や打ち継ぎ方法を工夫する事やコンクリートに混ぜる混和材を使用する事で、目地を無くして大きなコンクリートボリュームが現れる設計となっている。

平面計画としては、1階はほとんどがインナーガレージとなり、その他少しのスペースに水回りの用途をゾーニングしている。そして2階は大きな中庭を囲む形で住居スペースをゾーニングしている。その中には都会のテラスハウスという事もあり、空に大きく開けた開放的ではあるが、プライバシーは守られた空間となっている。要素の少ないボリューム構成に、大きく空に開けた場所に、コンクリートの素朴な表情が相まって、禅の心を感じられそうな中庭は今回の住宅設計の大きなポイントとなっている。その考えが細部にまで、きめ細かく計画する事が大切である為、工事監理にも十分に集中して行きたいと思う。

RC造 関西建築家

敷地を最大限利用した平面計画となっているので、隣地境界のクリアランスの余裕も余りない状況となっている中で、拘ったディテールや構造など施工精度はすごく求められるプロジェクトである。そんな建物をこれから施工して頂くのであるが、かなりの施工難易度である事は間違いないが、関係者全員で良いモノを作り上げられればと思っている。 竣工が楽しみのプロジェクトの一つである。

コメントを残す