RC住宅の設計

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鉄筋コンクリート住宅

 見晴らしの良い高台に計画中の、住宅が基本設計を終え実施設計に入った。鉄筋コンクリートの住宅で、造形的な住宅を要望するオーナーと、土地探しから始まり遂にここまで来た感じがする。土地探しでは個人で探していた時は具体的なイメージが無く、ぼんやりと探していた様で上手く進む事が出来ていなかったが、建築家と一緒に土地探しをする事で、この土地ではあんな事も出来る、こんな事も出来るなどの、視野を広げる事でその土地の持つ魅力に気が付ける事が、最終的に土地の決定をする判断要素となった。建築主の求める、造形的な住宅にこの土地はピッタリだった。



RC住宅
コンクリート打ち放し住宅



そして基本設計が始まり、以前に紹介したプランニングを行いながら、パースでの空間の確認を行う作業には、かなりの時間を費やす事となった。平面図で確認できる内容や、パースで確認できる内容は、それぞれに違いがあり、この系統の建物は、下積み時代から沢山設計をして来たので、慣れたものではあるが設計の苦しみは多い。それは要望で平面プランが少し変わると、外観の形状が崩れてしまう為、別のカタチを構想しなければならない。もう少しここを広げたいと追加要望があれば、それに合わせて空間構成も変形する為、何かを変える必要が出てくる。オーソドックスなカタチであれば、その形の持っている許容出来る範囲内で納める事が出来るが、今回の様な平面図が造形的なカタチに納める事は絶妙な一致を目指さなければならない。
それに加えて、1つの平面プランでも、いろんな外観が生まれるので、どのような可能性があるのかを考え尽くす作業が、とても苦しい作業となる。



混構造の家
大屋根の家
木造組梁
木造梁



ある日に、出したアイディアがとても満足行く物だったとしても、翌日に確認するとあまり良いアイディアに思えないケースもあれば、その逆でこのアイディアは良いと勘違いして、ずっと頭に残ってしまい引きずってしまうケースもある、大抵の場合、数カ月たった後になぜこの案を気に入っていたのだろうか、と反省する事も多い。固定概念との闘いでもある。



高台の家
開放的な家
大開口の家
別荘



アイディアを考える頭と、アイディアを精査する頭は切り替えなければ、検討がスムーズには行かない。スムーズに行かない時に考えが詰まってしまう状態がとても苦しい。地獄の様な苦しみなのかもしれない、このままアイディアが出なくて期限に間に合わないかもしれない、などといった考えが頭に過る、もしかしたら一生、アイディアが出ないのかもしれないなどの恐怖もあり、精神状態は最悪である。



木造家
木造住宅



ポンポンとアイディアが出てくる時は、すごく楽しいし精神的にも健康的だが、その不安定な波を、一定にする為に、どう切り替えて違う思考方法で検討する作法をどれだけ数多く持っているかで、作品の深さが決まるのかもしれない。 それだけ多く考える事で、オーナーの要望やその土地に対する解答に、よりベストに近いプランが提案できるのではないかと思っており、この設計スタンスを続けている。