京都鴨川 建築散歩

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京都鴨川 建築散歩

 早朝の京都の鴨川は、人通りも少なく風景を見ながら、ゆっくりと散歩が出来る。そこで発見出来る風景は、ユーモアがあり思わず写真を撮影してしまう程である。京都の鴨川といえば、京都で有数のパブリックスペースであるが、その鴨川のパブリックスペースに人がどのような、佇み方・振る舞いをしているのかを順に記載して行きたい。(人物の接写は出来ていない)


下鴨建築

・鴨川を眺めながら、木陰にあるベンチでタバコを吸いながら、近くにある職場の営業開始時間まで、リラックスしているサラリーマン。

通勤時間が読めない為に、少し早めに来て時間を潰す事から始まったこの習慣に思えるが、その時間が生活にとって大切な時間となり、この鴨川で佇む事が目的となり、仕事前にここへ来る事が、リラックス出来る時間となっている。

この様なパブリックの居心地の良さを設計するが出来ると、建築家が出来る現代社会への貢献なのかもしれない。

鴨川遊歩道
鴨川沿い 建築

・鴨川の飛び石を使って通勤するサラリーマン。

どこもかしこもアスファルトで覆われた、都市では土の上を歩いて、会社へ出勤する事は少ないし、その方が不便である。しかし、天候や生き物と近くに接する感覚などの自然を感じられる、出勤のあり方があっても良いと思う。このサラリーマンは近道が目的だと思うが、ある人から見ると最高の贅沢である。天候に左右される土手や川を歩き、人力では逆らう事のできない、自然の力を毎日感じられる事は、その人の性格までも変えてしまいそうな、生活スタイルである。このスーツ姿の中年のサラリーマンは、毎朝、何を考えながら鴨川の飛び石を渡っているのかインタビューをしてみたい程である。

突風が吹いて落ちないかも心配である。

京都鴨川 飛び石
鴨川 飛び石
鴨川通勤

・早朝であっても、鴨川の三角デルタには人がいる。

鴨川の有名スポットは沢山あると思うが、四条と三条の土手に等間隔に座る風景や、鴨川に張り出した川床など、人々が佇む事が出来る場所は沢山あるが、さすがに早朝にはその風景を見ることは出来ない。しかし鴨川の三角デルタには、いつどのタイミングにでも人を見かける。この地形を見るとその先端に行ってみたくなるし、そこで遊びたくなる気持ちが良く理解できる。そのような自然が作り出した形状をベースに、人工にパブリックスペースを作り出している事は、すごく上手く出来ているなと感心する。

鴨川三角デルタ
鴨川三角デルタ 人




ここに紹介した3つの事例の佇み方や振る舞い方は、ほんの一部であり。人が鴨川とどのように接して、この場所を生活に取り込んでいるかなどが大変興味深いところである。以後も観察を重ね、そこから建築設計のヒントを見つけて日々の設計に活かして行きたいと思う。


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