
先日の投稿で紹介した、花見小路通りの近くにある、京都五花街の内の一つ、宮川町通りについて記載していきたい。花見小路通り程、豪華絢爛ではないが、素朴な花街として有名である。私の建築設計事務所が、この宮川町通りのすぐ隣にある為、外出する時は、ほぼ毎日通る事になるが、舞子さんや芸子さんと頻繁にすれ違う。初めのうちは携帯で撮影したりしていたが、2年も経てば特に驚く事もなく素通りする。
2年も経つと花街も見慣れて来たのか、徐々にだが挨拶をして頂けるようになって来たのは、京都に馴染めて来ているのかなとも思える。私の設計事務所は京都で有名な路地にある為、地域の人にはまだ認識されているので、よそ者ではあるが一目を置かれている感じはする、そのあたりは京都らしさを感じてしまう。
そんな宮川町通りであるが、最近多く見られるのが建築物の解体である。掲載の写真は今日現在の写真で、この短い宮川町通りでこれだけの解体が行われている。私の意見では、一概に解体は良くないとは思っていないが、今後どんな建物が建つのかは大変気になるところである。京都は観光業の経済的利益から、建て替えが頻繁に行われており、街としての新陳代謝が行われているが、この宮川町通りもその時代の波が押し寄せてきている。


建て替わった建物を見ると、この通りの町並みを残そうとしている建物と、どこにでもありそうな予算を優先した建物が、はっきりと分かれているのが見受けられる。 この事について京都市が動くのか、それとも地元の住人が動くのか、建築に対するリテラシーが見ものである。それに加えて地域住民に話を聞くと、やはり建築への意識は高く、良くない建物の悪口は頻繁に聞く。そのような建築に対する価値観には感心するものがあるので、今後この花街がどのように変遷するのかが楽しみである。

