造成地に建つ住宅の提案

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新造成地 新築住宅

 新居の計画を検討される中で、新しい造成地を好むクライアントもいる。建築を学んで来た者からすると、街の良さを新しく上塗りする、宅地造成工事には何かの工夫が必要だと感じてきた。供給側の目線では経済的に有利な事や、クライアント側としては、新しいコミュニティーを作りやすい事などから、新造成地を選ぶ理由なのかもしれない。


新造成地 ダイアグラム
新造成地 鳥瞰




そのような無味乾燥な新しい造成地に、住まい者と住宅が折り重なって、外部に影響を与えられるような、提案が出来ないかと考えてみた。




人々の暮らしが多種多様になり、驚くような独特な趣味や趣味を超えた専門的な知識を持つ人々が増えて来ているように感じる。日本国内において、自分の時間や家族と過ごす時間が少しずつであるが増えており、また増やす意識を感じる。そのような社会環境の中で、それぞれの暮らしが住宅から街へ溢れ出る事で、他者とのつながりを持てる住宅の提案である。


造成地 1F
造成地 2F
造成地 3F




はじめに限られた敷地を最大限、有効活用する為に、敷地に対して建物を45°回転させ、敷地の隙間を無くし纏まったスペースを産む建物配置とし、そのスペースを個人の趣味のスペースとする。動物を育てる事が好きな人が住むと、通りは小さな動物園とになり、また植栽好きな人では小さな植物園にもなる。それぞれの住まい者の特徴が、敷地に影響を与える。


新造成地 立面
新造成地 断面

住戸にはエントランスを兼ねたフリースペースを設けており、情報や活動の展示、地域の人が集うサロンともなり、個人のアトリエとしても利用可能で、それらの場所と螺旋状に登っていく住空間が柔らかく繋がりを持ち、どの場所で過ごしていても、他(自分のみで完結しない=趣味・人・景色)を感じられる住宅となっている。


造成地 ダイニング




構造計画としは、敷地内に大きく取った×型の集成材壁面を、縁側の機能を持ったリング状の梁でそれぞれを繋ぐことで、×型の集成材壁面は枠の中の筋交いの役割となり、床のリングは様々な角度の水平力を受ける。×型は開き止めとなり、建物全体で水平力を負担する。


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