岡田茂吉記念館 見学

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広沢池

 京都市右京区にある、広沢池をたまたまではあるが初めて訪れた。四条河原町から車を使えば20分程で、こんなに長閑な場所を訪れる事が出来るのも、コンパクトシティーである京都ならではだと思う。詰め詰めの中心街に住むのも良いところはあるが、このような場所に住むのも良いなと思いながら、いろいろと周辺を散策していた。この日の京都は梅雨明けをして、夏が本格的に始まって本当に暑かったが、広沢池周辺は涼しく感じた。


この池に接して、平安郷という庭園があり、その庭園の道路を挟んで南側にある岡田茂吉記念館を訪れると、この庭園にも入園できる。驚くのがどちらも無料でありながら、見ごたえのある建築物や、展示品が並んでいる。


岡田茂吉記念館 外観




岡田茂吉記念館は日本設計が携わり、日本建築を現代人の感覚で捉え直すという、岡田茂吉の理念のもと、美で救いを求めた建物であるようだ。建物のボリュームは3つに分かれており、館内と中庭を回遊しながら巡る構成となっている。広沢池や嵐山を眺める事も出来、長閑なこの地を存分に感じ取りながらの空間体験となる。


岡田茂吉記念館 屋根
岡田茂吉記念館 階段
岡田茂吉記念館 広沢池




この建物は特徴的な屋根形状をしており、それを支える意匠を兼ねた構造も、アクセントとなっている。重厚なディテールからなる、積み上げて出来た空間は、守られた感覚のような、安心感を与えてくれる。包み込むような建物は岡田茂吉の資質なのかもしれない。


岡田茂吉記念館 軒




その後に、広沢池に隣接している平安郷へ向かった。
この庭園は周りの自然を借景としている事から、より大規模に感じられる。そんな中に広沢池付近にひっそりと佇む、茶室を発見した、茶室の構成はシンプルではあるが、前面には広沢池を眺望出来、非日常を楽しめる演出は沢山学ぶところが多かった。あえて人為的な事は行わなかったのだろうと解釈した。


平安郷 アプローチ
平安郷 縁側
平安郷 眺め




材料の選定や組み合わせは、好き者が好むであろう表現となっており、このような表現は、最近の現代建築には話題になり難いが、作品の質の高さは誰が見ても良いと共感して頂けると思う。


平安郷 茶室




京都には無料でも、学べる文化や芸術が多くあると気付かされた一日となった。


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