
「里山における自然資本の意識化とネットワークのための地域参加型研究」と題した研究が、京都大学の深町先生のもと、滋賀県の蓬莱 守山地区で行われており、そのプロジェクトの中の一つである民具館の設計を、成安造形大学時代の恩師の誘いで、協力させて頂く事となっていた。
しかしそんな中、思ってもいない事態がおこる。それは恩師の死だ。苦しい闘病から完全寛解したと聞いていたが、体調が急変しこの世を去った。

取り残された私としては、当時は補助的にこのプロジェクトに加わる予定であったが、恩師の死を受け、私が恩師の役割を担う事は出来ないにしても、微力ではあるが何かの足しになる事が出来ればと思い、引き続きこのプロジェクトに参加させて頂く事になった。


その始まりとして、蓬莱の守山地区にあるこの古民家を民具館とする為の実測調査を行った。このプロジェクトは、地域住民が主体となって自然資本を意識化して作り上げて行く事から、普段、私が仕事で行っているポジションは取れない。
どちらかというと、大学の講師で行っている、共に学ぶポジションに近いのかもしれない。 初めての経験となるこのプロジェクトで、迷いや不安は多いが、何とかカタチにしたいと思う。