内外の空間構成について

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お茶屋さん

 前回の投稿で、プライバシー性の高い開放的な内部空間に魅力を感じ、アジア的な空間に注目をしつつも、身近な日本的空間にも、そのような空間構成は存在すると述べたので、今回は少しであるが、京都の参考例を共有しておきたい。

まず上記の写真は、京都のお茶屋さんの店構えで、正面に見える建具はガラスなどが嵌っておらず、玄関と外部の空気は一体となっている。玄関は外のような内のようなスペースで、外部をハッキリと区切っていない事で、外部との繋がりを持った室内となっている。

中庭

次は町家の中庭で、廊下から続く縁側が室内と接しており、外部との繋がり方が先ほどのお茶屋さんの玄関の様に、ハッキリとした区切りが無く、柔らかく繋がる構成が日本らしさを感じる。現代住宅を考える時に、外部との関係性をペアガラスのアルミサッシで分断するのではなく、空間の構成で内と外を繋ぐ事の大切さに気付かされる。

円徳寺

次に、この外構の写真は、高低差がある土地に建物と外部通路の関係を入り混ぜながら、内部のような外部が出来ている場所で、外部なのか内部かがわからない居心地の良いスペースとなっている。

上記の三つの事例は、京都の空間構成の一部だが、現代の住宅として再考されれば、より住みやすい住居ができると思われる。四角い強固な箱を造るよりも、空間構成で外部と内部が分断しない建物を造る事を意識していきたい。

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