サロン・コワフール

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サロン・コワフール 外観

 四条河原町のすぐ近くにある、新京極通りから河原町通りを1本東へ行った、南北に通る昔は路地や辻子であっただろう小路に魅力を感じる。その通り名は「花遊小路」と呼ばれ、京都ならではの有名な店舗も立ち並ぶ通りである。そこにサロン・コワフールはある。

花遊小路
河原町通り

美容院としてこの通りに面して営業されているのだが、普通の美容院とは大きく違う。3帖程の狭小店舗で、小路に開放された構成となっている為、道の溜まりで散髪しているような感覚である。東南アジアを思わす営業スタイルが魅力的で、夏の夕暮れには南北に流れる自然の風が店内に舞い込み、また店内に流れるBGMは、河原町から聞こえる喧騒をかき消そうとする為に、少し大きめのボリューム設定となっているので、野外で音楽を楽しむかの様でもある。そんな外から取り込むもの、内から放出するものとの循環がとても居心地が良い。

私は最近、作品の事例を観る中でアジアの空間構成に目を止める事が多くなって来ている。アジア特有の開放的なプランを日本でどのように取り入れるべきかを考えているが、このような身近なところで、良い参考例がある事に驚いた。また私がアジア感と表現する空間構成は、京都の社寺仏閣や町家などにも存在していた事も知れた。

サロン・コワフール 店内

今後は閉塞的な空間や社会に対して、現代人から必要とされ愛される、おおらかな構成は何かを考えていきたい。

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