
京都の伏見区にある宅地造成されて15年程が経つが一向に売り手が見つからない、とある敷地をクライアントが見つけ、ここに住宅を計画して欲しいとの要望を受けた。その敷地は旗竿形状の敷地が隣り合う形状で、もともとは2つの敷地として売り出していたが、買い手が見つからない為に、2筆を合筆して大きな旗竿敷地となっている。山を削り宅地造成を行った為に、アプローチ部分の竿といわれる部分と、建物を建てる旗といわれる部分の高低差が5mもある、住まい者にはハードな敷地となっている。また建物を建てる部分も平場ではなく敷地の半分が急勾配で、建築することの出来る面積が限られている。それぞれの隣地とは、高低差があり日当たりや風の通りは良好であるが、凄く癖の強い敷地となっている。

このようなヘタ地は、その地域の平均坪単価と比べると著しく安価で売られている。そのクライアントの要望が、その敷地の癖に差し支えなく計画出来るのであれば、利口な買い物となる。またその敷地の癖を建築家が逆手に取り、素晴らしいアイディアでその家の個性としている事例は沢山あるので、今回のクライアントの挑戦には賛同している。 このようなプロジェクトには、高度な提案でなければ生活が成り立たないので、建築家にとっても試されているに感じる。ここ数週間はこの案件の構想で頭がいっぱいになりそうだ。

